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乾癬の新常識:関節炎を合併しやすい臨床的特徴[〈プライマリ・ケア医が知っておくべき〉クイズで学ぶ 皮膚科診療の“新常識”(4)]

No.5249 (2024年11月30日発行) P.12

多田弥生 (帝京大学医学部皮膚科学講座主任教授)

登録日: 2024-11-28

最終更新日: 2024-11-27

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Q


32歳,男性。数年前より頭皮の生え際を中心とする紅斑,鱗屑が出現し,増悪と寛解を繰り返していた。1年前より爪の変形が出現し,近医皮膚科を受診しても改善しないため,当科を受診した。受診時,頭皮の生え際,腋窩,臍部,臀裂部,爪に病変を認めた(図1)。本患者において,今後出現に注意すべき症状は以下のうちどれか。

喘息
下肢のしびれ
味覚障害
関節痛

乾癬の概要

乾癬は慢性の炎症性皮膚疾患であり,発症年齢は20〜50歳代が多く,日本人の約0.3%に発症する1)。病型には尋常性乾癬,関節炎を伴う関節症性乾癬,発熱など全身症状を伴う膿疱性乾癬,ほぼ全身が乾癬の皮疹で覆われる乾癬性紅皮症,滴状乾癬などがある。

乾癬の皮疹の臨床的特徴としては,厚い鱗屑を伴う境界明瞭な紅斑が被髪頭部,腰臀部,肘,膝,下腿などの好発部位に出現する。また,半数近くが爪症状を合併する。診断に迷う症例では生検すると,表皮の肥厚,不全角化,マンロー微小膿瘍,表皮突起の延長,真皮上層の血管拡張などの特徴的な所見がみられる。

WEBコンテンツ「尋常性乾癬の治療の使いわけ」

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