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腹痛の鑑別方法:救急では緊急度別で考えよう[〈from総合医育成プログラム〉プライマリ・ケアで役立つクリニカルパール(4)]

No.5251 (2024年12月14日発行) P.10

山畑佳篤 (京都府立医科大学救急・災害医療システム学講師)

登録日: 2024-12-12

最終更新日: 2024-12-11

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T&A救急初療(病院版)編 日本プライマリ・ケア連合学会監修

本連載では,日本プライマリ・ケア連合学会/全日本病院協会が実施している「総合医育成プログラム」の中から,選りすぐりのクリニカルパールを紹介します。現場のニーズを熟知しているエキスパートが,プライマリ・ケア医にとって「まさにそこが知りたかった!」というポイントをわかりやすく解説します。

今回のクリニカルパール腹痛を診たら,まずは「出血」がないか,次に「阻血」がないかを考え,下部消化管穿孔を除外する!
腹腔内出血の鑑別のためには,まず腹部超音波検査をその場で行う!
「出血」「阻血」を疑う場合は,採血結果を待たずに造影CTを考慮しよう!
体液量の評価が終わるまで,安易に立位にしない!
腹痛は,視診,触診,超音波,「出血」「阻血」を除外して,造影CTためらわず!

1 腹痛の鑑別は緊急度順に考える

みなさんは,腹痛の患者さんを診るのは好きですか?自分は今でも腹痛と聞くとドキドキします。多くの腹痛は軽症なのですが,中には目の前で心停止に至るような緊急度の高い疾患も含まれますし,臓器の系統が多岐にわたるため,考える疾患がたくさんあるので……。

というわけで,腹痛の患者さんを診るときには,鑑別疾患をたくさん挙げる必要があります。その鑑別疾患を考えるときに,みなさんはどのような手順で考えていますか? 昔から4分割法,6分割法,9分割法などで鑑別疾患をたくさん書いてある図をよく見かけます。その方法は鑑別の漏れをなくすためには有用かもしれませんが,一方で,腹部の臓器はnormal variationが多く,局在だけでは見逃しが生じるかもしれません。そこでズバリ,救急初療の現場では,緊急度別に考えるとスッキリするのでおすすめです!

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