本連載では,日本プライマリ・ケア連合学会/全日本病院協会が実施している「総合医育成プログラム」の中から,選りすぐりのクリニカルパールを紹介します。現場のニーズを熟知しているエキスパートが,プライマリ・ケア医にとって「まさにそこが知りたかった!」というポイントをわかりやすく解説します。
みなさんは,腹痛の患者さんを診るのは好きですか?自分は今でも腹痛と聞くとドキドキします。多くの腹痛は軽症なのですが,中には目の前で心停止に至るような緊急度の高い疾患も含まれますし,臓器の系統が多岐にわたるため,考える疾患がたくさんあるので……。
というわけで,腹痛の患者さんを診るときには,鑑別疾患をたくさん挙げる必要があります。その鑑別疾患を考えるときに,みなさんはどのような手順で考えていますか? 昔から4分割法,6分割法,9分割法などで鑑別疾患をたくさん書いてある図をよく見かけます。その方法は鑑別の漏れをなくすためには有用かもしれませんが,一方で,腹部の臓器はnormal variationが多く,局在だけでは見逃しが生じるかもしれません。そこでズバリ,救急初療の現場では,緊急度別に考えるとスッキリするのでおすすめです!