質問
当院は紙カルテを使用していますが,周囲では電子カルテを導入する医療機関が増えてきており,また令和6年度の診療報酬改定では電子カルテの導入が前提となる項目も見られ,検討を進めたほうがよいと思っています。どのように選べばよいでしょうか?
回答
電子カルテは,院内にサーバーを設置するオンプレミス型が長く主流でした。従来,病院では主に同型が採用されてきたことから,電子カルテは「そういうもの」というイメージも強いかもしれませんが,最近ではクラウド型が主流になりつつあります。電子カルテの分類とそれぞれの利点や費用,サポート体制といった観点から,自院に合ったものを選びましょう。
政府は,保健・医療情報の利活用や,新型コロナウイルス感染症流行時に認識されたデータ収集・共有の課題への対応として,医療DXを推進しています1)。令和6年度の診療報酬改定でも,「医療DXの推進」が対応すべきポイントの1つとして挙げられました。
一方,電子カルテの普及は進んでいますが,一般診療所では依然として半数程度が未導入です(図1)2)。普及推進をめざして,政府では標準型電子カルテの開発も進められています。政府の標準型電子カルテの開発を待って導入するという考え方もありますが,自院の運用に適した電子カルテを導入することで,運用効率や患者サービスの向上が期待できるため,一足先に導入を考えてみてはいかがでしょうか。
オンプレミス型とクラウド型で料金体系は異なるものの,5年程度の期間で見ると,おおむね上記の金額がかかります。オンプレミス型の場合は,ライセンス料に加えてサーバー等の周辺機器の手配が必要なため,導入時や更新時に200万~300万円程度の金額がかかります。