株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

黒色表皮腫の新常識:病型の考え方[〈プライマリ・ケア医が知っておくべき〉クイズで学ぶ 皮膚科診療の“新常識”(7)]

No.5261 (2025年02月22日発行) P.8

大磯直毅 (近畿大学奈良病院皮膚科教授)

登録日: 2025-02-20

最終更新日: 2025-02-18

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Q


10歳代,男児。両側の後頸部から鎖骨上窩,腋窩部,鼠径部を中心に全身がやや濃い色調で,皮丘・皮溝が明瞭な皮野を呈している(図1)。姉も同様の症状に罹患しているが,両親にはこの症状がない。薬剤は内服しておらず,ほかに症状は認めない。本症例の診断として最も考えられるものはどれか。

黒色表皮腫・遺伝型
黒色表皮腫・症候群型
黒色表皮腫・肥満関連型
黒色表皮腫・腫瘍随伴型
黒色表皮腫・薬剤型
黒色表皮腫・混合型

黒色表皮腫の概要

黒色表皮腫(acanthosis nigricans)は後頸部から鎖骨上窩などの間擦部に生じ,疾病負荷が生じやすい。良性型,仮性型,悪性型に分類され,遺伝的素因や糖尿病,機械的因子の付加,内臓悪性腫瘍との関連が示唆されてきた。近年,様々な発症因子が明らかとなり,病因別に分類される。経過観察とされる傾向にあったが,近年はシロリムス外用(承認外)などが検討できる。

症状として,間擦部(後頸部から鎖骨上窩,腋窩部,鼠径部)などに黒褐色色素沈着が生じる。病理組織学的に乳頭腫症,角質増殖,色素沈着を示す。時に全身の皮膚や粘膜に生じうる。通常は両側性である。

プレミアム会員向けコンテンツです(連載の第1~3回と最新回のみ無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

関連物件情報

もっと見る

page top