総務省消防庁の「救急業務のあり方に関する検討会」は17日、今年度の初会合を開き、増加を続ける救急搬送の適正化に向けた論点を提示した。主な論点は、(1)転院搬送の適正化、(2)病院救急車、民間救急車など搬送資源の有効活用、(3)頻回利用の適正化―など。
このうち(1)に関しては、転院搬送が全搬送件数の約8%(2013年)を占めている現状や全国消防長会から適正化の要望があったことを踏まえ、病院救急車や民間救急車の活用を検討する。
(2)については、かかりつけ医と在宅患者の間で収容希望先病院を決めておき、急変時にかかりつけ医が病院救急車を出動させる取り組みを行っている東京都町田市、同葛飾区などを参考にしながら、救急医療の地域完結を目指す。
なお、財務省の財政制度等審議会が建議で提言した軽症者搬送の一部有料化に対しては、複数の委員から「軽症者が“搬送不要”だと強調されすぎている」などと問題視する声が上がった。