元厚生労働事務次官の辻哲夫氏(東大特任教授、写真)はこのほど、認知症ケア全国フォーラムで講演し、「患者は入院していると朝から晩まで病人として病気と闘うが、家では生活者。生活者として人生を歩んで初めて医療に価値がある」と在宅医療の重要性を訴えた。
辻氏は、社会性の維持が精神・身体に好影響を与えサルコペニアを予防するとして、「一番良い方法は就労」と強調。また、「地域が1つの施設・病院」という故小山剛氏(高齢者総合ケアセンターこぶし園前施設長)の言葉を引用し、高齢者の就労支援やコミュニティースペース作りを柱として地域包括ケアシステムの理念を先取りした千葉県柏市の「柏プロジェクト」を紹介した。