【Q】
近年,自然免疫による感染防御機構として,細菌を閉じ込めるために血栓ができる免疫血栓(immunothrombosis)の概念が注目されています。重症敗血症などの病態における播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC)では,免疫血栓の関与が考えられていますが,この見地から,敗血症性DICの治療は,細菌を拡散させる可能性はないのでしょうか。【A】
感染局所へ白血球(好中球・単球)が集積し活性化します。活性化白血球は組織因子を産生し凝固亢進を引き起こすと同時に,凝固制御機構(組織因子経路インヒビター,トロンボモジュリン)抑制と線溶抑制(plasminogen activator inhibitor-1:PAI-1)により,効率よくフィブリン血栓を形成します。
1) 丸藤 哲, 他:日救急医会誌. 2007;18(6):237-72.