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発熱・腹痛で婦人科に入院し,その後 不明熱となった27歳,女性 [国立国際医療研究センター臨床カンファレンス(17)]

No.4808 (2016年06月18日発行) P.39

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-24

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  • 難易度★★★☆☆

    司会&総合診療科指導医K:今回から総合診療科が本カンファレンスの司会を担当させて頂きます。今日は総合診療科からの症例提示です。私はこのケースの担当医でもあります。また,前回(No 4801)に引き続き,今回も腹痛ということで,消化器内科の指導医S先生にも参加して頂いています。

    担当医:ではお願いします(スライド1)。この若い女性の患者さんは,5年前に経過が不詳な腹膜炎のエピソードをお持ちです。普段の服用薬などはありません。

    会 場:これは確かに謎ですね。手術もせず治ったわけですね。

    担当医:そのようです。

    会 場:そうすると,家族性地中海熱(familial Mediterranean fever:FMF)ですか。

    司 会:3日程度の短い期間で終息すればありえます。

    担当医:では病歴ですが(スライド2),このように12月と1月の,おおまかに2つのエピソードで構成されています。

    反復する腹膜炎? 骨盤内炎症?

    司 会:最初は婦人科に入院したんですね。何か聞きたいことは。

    会 場:直腸炎ですか……クラミジアや梅毒などをつい考えてしまいます。性交渉のパートナーは一定しているのですか。

    担当医:はい,そのように聞いています。これがそのときのCTです(スライド3)。まとめますと,骨盤内の炎症,特に直腸~S状結腸主体の炎症と周囲のリンパ節腫脹(赤矢頭)を認めました。

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