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機関車の重連運転のしくみとは?

No.4801 (2016年04月30日発行) P.69

山下道寛 (鉄道総合技術研究所車両制御技術研究部 駆動制御研究室主任研究員)

登録日: 2016-04-30

最終更新日: 2016-10-18

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【Q】

重連,3重連という機関車の運用がありますが,それぞれの車の動作のコントロールはどうしているのでしょうか。場合によっては後車が前車の足を引っ張ることになりかねないと感じます。最後尾から押すものもあるようですが,蒸気機関車と電気機関車では異なるしくみがあるのでしょうか。 (神奈川県 Y)

【A】

国内の電気機関車の駆動軸数は国鉄時代から4~6軸が一般的で,営業線区の輸送量などを考慮して設計・製作されています。そして列車の重量に合わせて1両とするか2両「重連」で運転するかを決めています。海外では3両や4両の場合もあり,「3重連」「4重連」と呼ばれます。
ご質問にあります運転中のそれぞれの機関車のコントロールですが,機関士が扱う主幹制御器(マスコン)からのノッチ指令(電気信号)により行われます。ノッチ指令は複数のノッチ段数から構成され,最近の電気機関車では18ノッチなどの刻みにより駆動力をコントロールしています。ノッチ指令はシンプルな電気信号であるため,総括運転用のジャンパ栓を通して機関車の運転台同士を電気的に繋ぐことで,1人の機関士が扱う主幹制御器からのノッチ指令により,複数の機関車を同時にコントロールすることができます。総括運転する場合には,基本的には同形式で重連運用されます。また,海外では1万トン超の重量貨物列車があり,編成長が1kmを超える長大編成となることから,無線信号により複数の機関車が総括運転される方式も採用されています。
一方,勾配区間のみ補助用の機関車(補機)を最後尾につける場合や,ジャンパ栓を用いない場合には総括運転はできません。そのため,各機関車に機関士が乗り,無線による連絡で協調したノッチ操作を行います(山陽本線・瀬野~八本松間,石北本線・常紋トンネル付近など)。
蒸気機関車では,微妙な運転操作が必要になるため総括運転の機能がなく,それぞれの機関車に機関士が乗り,汽笛の合図により機関車間で運転状況の合図を交わして,運転操作することになります。最近では,重連運転線区に1両で重連相当の軸数を有する8軸機関車が開発され,重連運転は少なくなってきました。

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