【Q】
肺癌患者において縦隔リンパ節転移を疑った場合,治療方法に困ることがあります。手術で完全切除が可能かどうかなどを呼吸器科,放射線科などのスタッフとよく検討して,治療方針を決定するようにしていますが,症例によっては治療法の選択に非常に難渋する場面があります。産業医科大学・浦本秀隆先生はどの治療法を,どのようにして選択されていますか。【A】
縦隔リンパ節転移を伴う肺癌の治療法は現在も混沌としています。まず,縦隔リンパ節転移が病理学的に証明されているかどうかが大切な指標になるので,超音波気管支鏡下リンパ節生検(endobronchial ultrasound guided transbronchial needle aspiration;EBUS-TBNA)や,時には縦隔鏡,胸腔鏡下リンパ節生検などによって,できるだけ正確な診断をつけるように努力します。その理由はCTで縦隔リンパ節腫大を認め,PETで集積があっても偽陽性のこともあるからです。