【Q】
静脈奇形の痛みに対する治療法選択について。海綿状成分が目立たない例や静脈石周囲に痛みがある例などへの硬化療法の適応を,KKR札幌医療センター斗南病院・佐々木 了先生に。【A】
静脈奇形(いわゆる海綿状血管腫など)は全身のどの部位・臓器にも発生し,疼痛,発熱,感染,出血,変色,醜状変形などを主訴とします。このうち疼痛は患者のQOL低下につながりやすいため,早急な対応が望まれる症状の1つです。疼痛は患部の下垂や起床時など血液貯留増加時に伴うことが多いのですが,月経などのホルモン変化や病変内の静脈石や血栓性静脈炎によるものもあります。治療は,圧迫や鎮痛薬投与などの保存的治療と,切除術や硬化療法などの侵襲的治療に大別できます。