(質問者:千葉県 K)
熊本における地震でワクチンメーカーが被災したことから,本年(2016年)のインフルエンザワクチン生産量は減少します。ワクチン不足を防止するため,今シーズンのインフルエンザワクチンは1mL製剤しか生産しないことが決定されました。1mL製剤の場合,2回以上注射針を刺し,吸引するので,汚染防止のため,防腐剤のチメロサール添加が必要となります。注射器にpre-filledされた0.5mL製剤のインフルエンザワクチンは1回使い切りとなるため,チメロサールを添加しなくてもよいのですが,本年pre-filledワクチンは生産されないため,すべてのインフルエンザワクチンがチメロサール含有となります。
チメロサールはエチル水銀化合物です。現在は否定されていますが1),過去にチメロサールが自閉症と関連があると報告2)されたため,チメロサール非含有ワクチンが優先的に妊婦の接種に使用されてきました。現在,米国ではチメロサール含有インフルエンザワクチンの妊婦への接種は問題ないとされ,また日本産婦人科学会も差し支えないと報告しています。
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