ロコモ(ロコモティブシンドローム:運動器症候群)の予防を推進するため、日本整形外科学会は「ロコモ度テスト」を用いたロコモ度の臨床判断値の普及を図っている(表1)。
ロコモ度テストは①下肢筋力やバランス能力などをみる「立ち上がりテスト」、②歩幅を測る「2ステップテスト」、③25のチェック項目で身体状態・生活状況を自己評価する「ロコモ25」―の3つを組み合わせたもの。以前は年代別平均値と比較してロコモになる危険性を判定していた。
臨床判断値では年齢にかかわらず、移動機能の低下が始まった状態を「ロコモ度1」、移動機能の低下が進行し、自立した生活ができなくなるリスクが高い状態を「ロコモ度2」と定義。
ロコモ度1の基準は①立ち上がりテストで40cmの高さからどちらか一方の片足で立ち上がれない、②2歩の幅を身長で割った「2ステップテスト値」が1.3未満、③ロコモ25が100点中7点以上―の3つのうち1つ以上該当する場合とした。ロコモ度2は①で20cmの高さから両足で立ち上がれない、②2ステップテスト値が1.1未満、③ロコモ25が16点以上―の3つのうち1つ以上該当する場合。ロコモ度1は運動を習慣づけ食事内容を検討する必要があり、ロコモ度2は専門医の受診が推奨される。
整形外科学会ロコモチャレンジ!推進協議会委員長の大江隆史氏(NTT東日本関東病院整形外科主任医長)は、5月に開かれた臨床判断値の発表会見で「ロコモ度1の基準に1つでも当てはまればロコモだといえる」と強調した。
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