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多発性筋炎・皮膚筋炎:指定難病認定に必要な診断基準と重症度基準

No.4758 (2015年07月04日発行) P.57

住田孝之 (筑波大学内科(膠原病・リウマチ・アレルギー)教授)

登録日: 2015-07-04

最終更新日: 2016-10-26

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多発性筋炎(polymyositis:PM)に定型的な皮膚症状を伴う場合は皮膚筋炎(dermatomyositis:DM)と称する。筋炎の症状や所見に乏しく,皮膚症状のみの無筋症性皮膚筋炎(clinically amyopathic dermatomyositis:CADM)では,急性に進行する間質性肺炎の合併が多い。患者数は約1万7000人,男女比は1:3で女性に多く,発症のピークは5~9歳の小児と50歳代である。2015年度から難病指定には,診断基準を満たし,重症であることが必須となった。
診断は,1992年の旧厚生省の診断基準による(文献1)。(1)皮膚症状,(2)上肢または下肢の近位筋の筋力低下,(3)筋肉の自発痛または把握痛,(4)血清中筋原性酵素の上昇,(5)筋電図の筋原性変化,(6)骨破壊を伴わない関節炎または関節痛,(7)全身性炎症所見,(8)抗tRNA合成酵素抗体陽性,(9)筋生検で筋炎の病理所見,の9項目からなり,(2)~(9)項目中4項目以上でPMと診断する。PMに(1)の皮膚症状を伴った場合,DMと診断する。なお,皮膚症状のみで,皮膚病理学的所見がDMに合致するものはCADMとする。
重症度分類は,(1)原疾患に由来する筋力低下,(2)原疾患に由来するCK値あるいはアルドラーゼ値の上昇,(3)活動性の皮疹,(4)活動性の間質性肺炎の合併,の4項目中1項目を満たす場合に,重症とする。
詳細に関しては,厚生労働省の指定難病に関するHPに記載されているので,参照されたい。

【文献】


1) Tanimoto K, et al:J Rheumatol. 1995;22(4):668-74.

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