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パーキンソン病の睡眠関連障害

No.4761 (2015年07月25日発行) P.53

野村哲志 (鳥取大学脳神経内科学内講師)

中島健二 (鳥取大学脳神経内科教授)

登録日: 2015-07-25

最終更新日: 2016-10-26

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パーキンソン病(PD)は運動症状を呈する病気であるが,非運動症状が注目されている。睡眠障害も非運動症状のひとつであり,以前より良質な睡眠により早朝の運動症状が改善する睡眠効果が知られている。睡眠障害の原因としては,PD特有の運動症状,薬剤の影響,睡眠関連障害の合併が挙げられる。睡眠関連障害としては,レム期睡眠行動異常症(RBD)や下肢静止不能症候群(RLS),睡眠時無呼吸症候群(SAS),日中過眠(EDS)が挙げられる(文献1)。
RBDはレム睡眠中に夢内容に一致した行動化を起こす睡眠随伴症で,青斑核などの脳幹病変が考えられ,PDの発症前症状として注目されている(文献2)。RLSは夕方~夜間に下肢を動かしたくなる衝動に駆られる感覚障害を起こす病気で,運動により症状が改善することが特徴である。脊髄ドパミン機能障害が病態と考えられているが,PD治療中に症状が出現することがある(文献3)。SASはパーキンソニズムによる上気道抵抗の増大による閉塞性要因や,中枢性呼吸障害によりPDに合併することが考えられており,EDSの原因にもなりうる。EDSはPDの加療中に出現することがあり,PDの病態,薬剤の影響との関連が示唆される(文献4)。
以上,PDでは睡眠関連障害がある。PDの病態,薬剤の影響も考慮されるが高頻度であり,QOLの悪化につながるため,対処が必要である。

【文献】


1) Barone P, et al:Neurology. 2004;63(8 Suppl 3):S35-8.
2) Boeve BF, et al:Brain. 2007;130(Pt 11):2770-88.
3) Clemens S, et al:Neurology. 2006;67(1):125-30.
4) Paus S, et al:Mov Disord. 2003;18(6):659-67.

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