薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)では経過中にhuman herpes virus(HHV)-6をはじめとするウイルスの再活性化を生じ,脳炎や肺炎などの臓器炎により死の転帰をたどることがある。発症早期にウイルスの再活性化リスクを評価できれば,迅速に対処しやすい。
DIHS患者におけるHHV-6再活性化群と非再活性化群の比較により,発症早期の上昇がHHV-6の再活性化と関連ありと判定されたバイオマーカーは,血清TNF-α,CRP,LDHであった(文献1)。HHV-6再活性化を予測すべき閾値はTNF-α>12pg/mL,CRP>7mg/dL,LDH>600U/Lであった(文献1)。
TARC(thymus and activation regulated chemokine)はアトピー性皮膚炎の重症度の指標として保険適用されているが,DIHSにおいても発症早期から多くの症例で1万pg/mL以上の異常高値を示すことから,発症早期の鑑別診断に役立つばかりでなく,重症度スコアとも弱いながらも相関関係がある(文献2)。
TARC値はDIHSの発症早期にHHV-6再活性化群で平均値2万1023pg/mLと,非再活性化群の約3倍の高値を示し,ウイルス再活性化の予測にも有用と考えられる(文献2)。
1) Uno H, et al:J Dermatol Sci. 2014;74(2):177-9.
2) Ogawa K, et al:Br J Dermatol. 2014;171(2):425-7.