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皮膚・筋組織へのダメージが少ない脊椎低侵襲手術  【従来法と変わらない長期成績も報告されており,脊柱管狭窄症に対する除圧術にも応用】

No.4795 (2016年03月19日発行) P.55

吉本三徳 (札幌医科大学整形外科講師)

登録日: 2016-03-19

最終更新日: 2016-10-26

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近年,高齢者の手術症例の増加や,早期社会復帰のニーズの高まりに伴い,脊椎外科分野においても手術の低侵襲化が進められてきた。
椎間板ヘルニアに対する手術はLove法がgold standardであったが,より小さい展開で行う,顕微鏡下椎間板切除術(文献1)や内視鏡下椎間板切除術(文献2)が一般化した。1.5~3cmの皮膚切開で手術を行うことができ,傍脊柱筋に対する侵襲も小さい。従来法と変わらない長期成績も報告されており,脊柱管狭窄症に対する除圧術にも応用されている。また,7~8mmの切開で局所麻酔下で行うことができる経皮的内視鏡下椎間板切除術も普及しつつある。内視鏡などの特殊な機器を必要としない低侵襲除圧術としては,棘突起を正中で縦割して進入する棘突起縦割式椎弓形成術が広く行われている。
脊椎固定術の低侵襲化も進んでいる。傍脊柱筋を大きく剝離,展開することなく手術を行う方法として,多裂筋と最長筋の筋間からアプローチを行う方法,経皮的な椎弓根スクリュー刺入,側方から進入して椎体間に大きなケージを設置する側方進入腰椎椎体間固定術などが導入され,変性疾患だけでなく,転移性脊椎腫瘍や化膿性脊椎炎,成人脊柱変形などの治療にも,これらの低侵襲術式が用いられるようになってきている。

【文献】


1) Caspar W:Adv Neurosurg. 1977;4:74◆80.
2) Foley KT, et al:Tech Neurosurg.1997;3:301-7.

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