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口蓋裂におけるFurlow法による口蓋形成術 【口蓋延長とともに筋層を確実に再建。硬口蓋への侵襲が少なく,良好な顎発育が期待】

No.4828 (2016年11月05日発行) P.52

杉本孝之 (北里大学形成外科・美容外科講師)

武田 啓 (北里大学形成外科・美容外科主任教授)

登録日: 2016-11-03

最終更新日: 2016-10-31

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口唇口蓋裂の手術は,機能的にも整容的にも大切な部位を扱い,さらに,その結果が将来にまで影響を及ぼすため,非常に難度が高い。口蓋形成術の目的は,良好な鼻咽腔閉鎖機能を獲得することである。そのためには,確実な口蓋裂の閉鎖,十分な長さの軟口蓋の形成,走行異常となっている軟口蓋の筋群の確実な再建が行われなければならない。また,術後の上顎歯槽弓の良好な発育を考慮すれば,硬口蓋に瘢痕を残さない手術方法が望ましい。

口蓋裂の初回手術においては多くの方法が報告され,それぞれの長所が主に強調されているが,いまだ誰もが納得する方法はない。どの方法を用いても,経験豊かな術者が行い,経験豊かな言語聴覚士,矯正歯科医のサポートがそろえば,結果はどれもあまり差がないのかもしれない。

当教室では,1990年代よりFurlow法1)を導入して良好な結果を得ている。Furlow法は,軟口蓋に作製した大きな2つのZ形成によって,口蓋延長とともに筋層の確実な再建を行い,同時に硬口蓋への侵襲の少なさから,より良好な顎発育が期待できる方法である。

【文献】

1) Furlow LT Jr:Plast Reconstr Surg. 1986;78(6): 724-38.

【解説】

1)杉本孝之,2)武田 啓 北里大学形成外科・美容外科 1)講師 2)主任教授

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