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慢性頭痛の非薬物療法 【一次性頭痛に認知行動療法が有用とのエビデンスが蓄積】

No.4815 (2016年08月06日発行) P.48

端詰勝敬 (東邦大学心身医学教授)

登録日: 2016-08-06

最終更新日: 2016-10-30

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現在まで,慢性頭痛の主たる原因とされてきた緊張型頭痛や片頭痛は薬物療法が主体である。片頭痛では,急性期治療薬としてトリプタン製剤が開発され,急性期の治療成績は劇的な進歩を遂げた。予防療法に関しても,バルプロ酸やプロプラノロールが保険適用になった。しかし,薬物療法の進歩と並行するように薬物乱用頭痛が問題となっており,最新のガイドライン(文献1)では,非薬物療法として,認知行動療法,理学療法,サプリメントが取り上げられている。
特に,慢性頭痛の多くを占める一次性頭痛に対する認知行動療法の効果は,欧米を中心に多くのエビデンスが蓄積されつつあり,慢性頭痛に対する認知行動療法によって,頭痛が30~50%改善されると言われている。さらに,薬物療法との併用によって効果は高まるとされ,薬物療法を行いにくい小児患者への適応も期待されている。
慢性頭痛への認知行動療法としては,ストレスマネージメント,リラクセーション,バイオフィードバック療法などが行われており,単独で用いる場合や,複数の治療法を組み合わせて行うこともある。わが国では近年,痛みを持つ患者の認知様式の偏りが注目されているが,慢性頭痛に対する認知行動療法単独での効果は明らかにされていない。
これからの課題として,認知行動療法を行える施設が少ないこと,時間や労力に見合う保険点数が得られない点,などが挙げられる。

【文献】


1) 慢性頭痛の診療ガイドライン作成委員会, 編:慢性頭痛の診療ガイドライン 2013. 医学書院, 2013.

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