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総合診療×心療内科 心身症の一歩進んだ診かた【電子版付】

心療内科は『内科』です

定価:4,950円
(本体4,500円+税)

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編著: 森川 暢(市立奈良病院 総合診療科)
編著: 大武陽一(伊丹せいふう病院 内科)
編著: 酒井清裕(倉敷中央病院 緩和ケア科)
判型: B5判
頁数: 220頁
装丁: 単色
発行日: 2021年09月20日
ISBN: 978-4-7849-6309-6
版数: 1
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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◆「心身症は心療内科が診るものだから関係ない」そんな風に思っていないでしょうか?プライマリ・ケア領域にも心身症の病態を持つ疾患は数多く存在しています。
◆具体的な症例を元に,総合診療医が日常診療で実践しやすい心身症の診療方法を,総合診療医と心療内科医の両方の視点で解説しております。
◆総合診療医の先生にも,心療内科の先生にもお勧めできる1冊です。

目次

1章 総合診療的アプローチと心身症
1 BPS モデル(Bio-Psycho-Social model:生物心理社会モデル)
2 患者中心の医療の方法
3 家族志向のケア
4 動機づけ面接/行動変容
5 臨床推論
6 多疾患併存においてバランスモデルを意識した心身症診療について
7 心身症に用いる漢方薬
8 健康の社会的決定要因(social determinants of health)
9 心身症とインナーコンサルテーション

2章 心療内科的アプローチ
1 心療内科的フレームワーク~心身症診療の基本的事項~
2 認知行動療法
3 家族療法
4 SFA(解決志向アプローチ)
5 リラクセーション(自律訓練法)/マインドフルネス
6 向精神薬
7 公認心理師によるカウンセリング
8 心療内科と総合診療の異同と協働

3章 診療の場と心身症
1 在宅医療
2 緩和ケア
3 老年医学
4 思春期のケア
5 救急診療と心身症
6 LGBTQs

4章 心身症各論
1 MUS / FSS
• 総合診療医の視点
• 心療内科医の視点
2 頭痛
• 総合診療医の視点
• 心療内科医の視点
3 慢性疼痛
• 総合診療医の視点
• 心療内科医の視点
4 機能性高体温症
• 総合診療医の視点
• 心療内科医の視点
5 めまい
• 総合診療医の視点
• 心療内科医の視点
6 過敏性腸症候群
• 総合診療医の視点
• 心療内科医の視点
7 生活習慣病
• 総合診療医の視点
• 心療内科医の視点
8 摂食障害
• 総合診療医の視点
• 心療内科医の視点

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序文

まず,正直に告白します。私は心身症についてまったく無知でした。心身症の定義の重要性については酒井先生と大武先生が述べられていますが,定義すら私は本当に理解をしていませんでした。今も充分に理解はできていません。そして,同様に今回,執筆に参加してくれた総合診療医も当初は心身症の定義を理解できていませんでした。
心療内科は心身症のプロフェッショナルであり,内科の一分野です。一方で,総合診療医の基本原理は家庭医療です。家庭医療の大家である藤沼康樹先生は,家庭医療において重要な所見は,「質の高い家庭医は患者の疾患の診断治療と患者の『病い体験』をほぼ同等に扱っている」と述べています。言い換えれば生物学的問題と心理社会的側面を同様の価値でとらえることが,総合診療の本質であるとも言えます。心療内科も総合診療医も基盤となる理論体系として生物心理社会モデルを用いています。ただし,心療内科は心身症を専門とする内科医として心身症を診るための様々な技法を用いています。
本書のテーマは,「総合診療医と心療内科医のダイアローグ」です。各々の専門性を尊重し,ダイアローグを通して相互理解を深めて,より良い連携を行うことをめざしています。そして,そのダイアローグの軌跡を皆様に開陳することで,心身症の理解が深まることでしょう。心身症は内科と精神科の間に陥りやすい病態です。よって,本書の内容は総合診療医や心療内科だけでなく,内科全般や精神科医の先生にとっても有意義なものになっていると感じます。本書の内容が臨床家の皆様のお役に少しでも立てれば幸いです。
最後に,関西若手医師フェデレーションという有志の勉強会で一緒に活動してきた同志である酒井先生と大武先生,そして執筆者として貴重な時間を割いて下さった心療内科医と総合診療の先生方に感謝を申し上げます。

2021年8月 コロナ禍の真っ最中の夏のさなかに
森川 暢

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