「風邪を引いた」とよく耳にします。風邪とは,鼻汁や咽頭痛,咳嗽など上気道の炎症症状を主体とするウイルス疾患の総称です。正式には「感冒」や「上気道炎」,さらには「風邪症候群」と呼ばれています。近年,ウイルス学の進歩により,原因となるウイルスが同定できるようになり,それぞれのウイルスによる症状や疫学的特徴などが明らかにされるようになってきました。このような知見が明らかになってくると,個々のウイルスの流行期において,より的確な対策が可能になります。
今回は主に乳幼児にみられる風邪の原因であり,秋から冬にかけて流行するrespiratory syncytial virus(RSV)に関して,小児科のみならず,それ以外の専門科の先生方からの質問や疑問にお答えしていきたいと思います。
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