株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

国境を越える多剤耐性菌・耐性病原体・耐性ベクターの状況 【CREが問題に。海外での入院歴のある人,海外の食べ物からの検出例も】

No.4829 (2016年11月12日発行) P.55

林 啓一 (ラッフルズジャパニーズクリニック)

忽那賢志  (国立国際医療研究センター国際感染症センター/国際診療部)

登録日: 2016-11-09

最終更新日: 2016-11-08

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 医療者も患者もどんどん国境を越えるようになってきて,多剤耐性菌をはじめとする新たな感染症の脅威が出てきました。わが国は経口第3世代セフェム,マクロライドやニューキノロンが濫用気味に思えます。国境を越える多剤耐性菌や耐性病原体や耐性ベクターについて,国立国際医療研究センター国際感染症センター/国際診療部・忽那賢志先生のご解説をお願いします。

    【質問者】

    林 啓一 ラッフルズジャパニーズクリニック


    【回答】

    多剤耐性菌というと,MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)やESBL(基質特異性拡張型βラクタマーゼ)が有名ですが,最近はCRE(カルバペネム耐性腸内細菌科細菌)がわが国でも問題になっています。ややこしいのですが,このCREと呼ばれる耐性菌の一部は,カルバペネマーゼというカルバペネムを分解する酵素を産生します。わが国のカルバペネマーゼ産生菌の多くはIMP型というカルバペネマーゼを産生しています。

    残り597文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top