【質問者】
川口千佳子 せやクリニック副院長
片頭痛の急性期治療薬として登場した5HT 1B/1D受容体アゴニストであるトリプタン製剤ですが,欧米では1990年代初めにスマトリプタンなどが認可されています。特効薬であるがゆえに服用しすぎて,その後数年で,トリプタンによる薬物乱用頭痛(medication overuse headache:MOH)が広まり問題となりました。
わが国においても2000年からトリプタン製剤の使用が可能となり,多くの片頭痛患者が恩恵を受けられるようになりましたが,以下のいくつかの問題点が指摘されています。①3カ月を超えて,月に10日以上定期的に使用することによるMOH,②まったくトリプタンが効かないノンレスポンダー,③胸部の不快感やめまい,悪心,傾眠などの副作用が生じるため服用できない,またはトリプタンが血管収縮作用を有するため,心血管障害・脳血管障害の既往,コントロール不良の高血圧症例では使用できない。
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