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脳梗塞リスクがある頭痛患者の診察・治療の注意点 【問診から相対リスクを見極め,片頭痛の頻度軽減などの予防治療を施す】

No.4831 (2016年11月26日発行) P.58

丹羽 潔 (東京頭痛クリニック理事長/にわファミリークリニック院長)

西山和利 (北里大学医学部神経内科学主任教授)

登録日: 2016-11-23

最終更新日: 2016-11-21

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  • 最新の国際頭痛分類では片頭痛性脳梗塞,脳梗塞による頭痛のほか,稀ながら一過性脳虚血発作による頭痛という診断があります。片頭痛を含めた頭痛発作は脳梗塞の危険因子になるのでしょうか。
    脳梗塞リスクがある頭痛患者の診察や治療などの注意点について,北里大学・西山和利先生のご教示をお願いします。

    【質問者】

    丹羽 潔 東京頭痛クリニック理事長/にわファミリークリニック院長


    【回答】

    片頭痛を有する症例では脳梗塞が増えるのかどうかにつきまして,片頭痛と脳梗塞は一見,直接の関係がなさそうに見える疾患ですが,両者の関連を示唆する研究結果があります。多数の片頭痛患者を頭部MRI画像で詳細に検討した研究では,片頭痛患者では脳白質病変の出現が対照群に比較して有意に多く,特にテント下領域や後方循環領域に脳梗塞巣がみられる率が有意に高いとされています。中でも月に1回以上の前兆のある片頭痛発作を呈する症例ではリスクが高く,発作頻度が高い症例では白質病変の出現頻度が高いとされています。

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