2カ月前から徐々に悪化する指趾の痛みと色調変化を主訴に当部を紹介受診した。既往歴に特記事項なし。喫煙歴は20本/日×53年間。
身体診察では体温36.7℃,脈拍90回/分,血圧164/94mmHg。両手の2,3,4指は暗紫色を呈し,一部に壊疽を伴っている(図1)。両側橈骨動脈は触知するが,Allen test*は両側で陰性。両側足背動脈および左後脛骨動脈は触知不良。
血液検査の異常値はWBC 16100/μL,CRP 3.4mg/dLのみ。
*Allen test:橈骨動脈とともに掌動脈弓を形成している尺骨動脈までの循環状態を評価する身体診察。検者が橈骨動脈と尺骨動脈を圧迫して手掌への血流を遮断した後に,尺骨動脈の圧迫を解除し,5〜15秒以内に手掌の赤みが回復する場合を陽性(正常),回復しない場合を陰性とする。
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