厚生労働省は11月25日、国内で初めて承認された日本ベーリンガーインゲルハイムの3剤配合降圧薬「ミカトリオ配合錠」の適正使用指針を策定し、自治体に対し、医療機関・薬局に周知するよう事務連絡を発出した。
ミカトリオは「テルミサルタン80mg」「アムロジピン5mg」「ヒドロクロロチアジド12.5mg」の配合剤。配合成分であるアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、カルシウム拮抗薬(CCB)、利尿薬の組み合わせは、2剤併用で降圧目標が達成されない患者に用いる選択肢として、国内外の高血圧治療ガイドラインで推奨されている。
第一選択とはせず、8週間観察後切り替え
適正使用指針は日本循環器学会と日本高血圧学会の協力の下、厚労省が策定。指針では、異なる機序の降圧薬の併用は、降圧効果を互いに増強しあうことから降圧目標の達成に有用であるとし、配合剤の利点として、服薬アドヒアランスの改善・維持による心血管病の予防が期待できることを挙げている。一方で、配合剤は用量が固定されており、初期投与により過剰な血圧低下を招く恐れがあり、投薬の調整が難しく、副作用が生じた際に原因となる薬剤の特定が困難であるなどの懸念もあると指摘している。
このため、指針では同剤を原則として「高血圧治療の第一選択薬としないこと」としている。また、選択に当たっては、単剤療法あるいは2剤併用療法を「『8週間以上継続』して有効性と安全性の観点から継続が妥当と主治医が判断した場合に」切り替えを検討するよう求めている。