東京都医師会は13日の会見で、2018年度東京都保健医療計画の改定に向け、全国初となる24時間体制のドクターヘリ導入などを盛り込んだ「救急・災害医療に関する提言・要望」を9日、小池百合子都知事に提出したことを明らかにした。
2016年10月現在、全国では39道府県に47機のドクターヘリが配備されているが、都は未導入。全国に配備されているドクターヘリも、その装備から夜間運用はできない。要望書では、都が持つ夜間飛行が可能な防災ヘリを、医療機関と連携した上で活用することで、全国初の24時間体制のドクターヘリシステムが可能になると指摘。導入されれば、奥多摩地区などの山岳地域や島しょ地域、夜間にドクターヘリが機能しなかった首都圏全体で、より質の高い救急医療を提供できるとしている。
会見ではまた、安藤高夫理事が17年度末で廃止される介護療養病床や25対1医療療養病床について、都では引き続き利用可能にするよう提言した。その理由として安藤氏は、都では今後も高齢者人口が増加することから慢性期病床は削減すべきではないことや、新類型転換のための病床・施設面積の拡大には土地の確保が必要だが、都の地価は最も低い秋田県の44倍で地域格差が激しいことを列挙。さらに、新類型の施設基準を基にシミュレーションした場合、現状より医療費が増加する可能性があると強調した。
安藤氏は、「(地域格差について)フェアな是正が必要」として、容積率や基準面積など施設基準の規制緩和推進や、都独自の入院基本料の設定など、都道府県単位の診療報酬体系に関する検討を国に求めた。