厚生労働省の「全国在宅医療会議ワーキンググループ(WG)」は1日、在宅医療に関する医療連携と普及啓発、エビデンスの蓄積を重点分野とする案を取りまとめた。近く親会議の「全国在宅医療会議」に報告する。
WGは在宅医療の推進に向け医療・介護関係者が議論する「全国在宅医療会議」の下に設置されたもの。特に重点的に検討が必要な事項を議論する。
重点分野案では、在宅医療に関する①医療連携、普及啓発モデルの蓄積、②エビデンスの蓄積―の2つを在宅医療の重点分野に設定し、関係団体や学術団体、行政などの役割を列挙している。日本医師会など関係団体は、行政と車の両輪として在宅医療提供体制の構築に取り組むと記載。研究機関は研究成果を集約するデータベースや、幅広い関係者に情報発信するホームページなど、エビデンス蓄積に役立つ具体的な土台を構築するとされた。
重点分野に関して関係団体や学術団体、厚労省が現在、具体的に取り組んでいることや、これから実施する予定の取り組みも盛り込まれた。三師会と日本看護協会は今後、在宅医療の多職種連携に向けて協議し、各職能の調整を図るという。日本老年学会は日本在宅医学会、国立長寿医療研究センターと共同で「在宅医療診療ガイドライン」を作成中だ。厚労省は在宅医療の連携体制に関する事例収集のための調査と、市町村の普及啓発の取り組み状況を把握するための調査を来年度に実施する。