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(7)診療こぼれ話 ─ケーススタディ(1)[特集:眠れない患者に対応する]

No.4731 (2014年12月27日発行) P.83

小池茂文 (豊橋メイツ睡眠障害治療クリニック院長)

登録日: 2016-09-01

最終更新日: 2017-04-17

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  • CASE1 眠れない─睡眠状態誤認(その1)

    症例66歳,女性。不眠症。
    主訴入眠困難,日中の眠気。
    現病歴:15年ぐらい前より不眠症があり,睡眠導入薬を使用していた。中途覚醒は毎晩2回ほどあるとのことであった。
    他院で処方されたトリアゾラム(ハルシオン®),ブロチゾラム(レンドルミン®)を毎晩併用していた。
    睡眠調査:睡眠日誌を用いて,自覚的な睡眠評価を行うとともに単一電極による携帯用脳波計(夢眠計®)を用いて,在宅で実験的に客観的な睡眠の評価を行った。無呼吸についてはパルスオキシメータにてチェックした。
    結果:検査にて無呼吸の可能性は否定された。睡眠日誌による自覚的な入眠潜時(sleep latency:SL)は平均3.5時間(1週間)であったが,時々,トイレ起床による中途覚醒があった。中途覚醒後の再入眠は10分以内とそれほど悪くないものであった。しかし客観的なSLは,自覚的なSLよりもはるかに短く,平均で1.5時間であった。
    治療方針:実際の入眠は患者の自覚よりもはるかに早いものであった。SLをもとに睡眠時間制限(入眠時刻の設定)および睡眠導入薬の服用時間を取り決めた。そして,この例では実験的に客観的な睡眠衛生指導などを行うことができた。

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