まず,病院広報の定義と目的をハッキリさせておく必要があります。広報活動の社会的意義を示すための計画を作成し,その中の大項目として書き上げるのがその施設の「病院広報の定義と目的」です。
広報の定義は,世界で何百もあると言われていますが,それらを横目に見ながら,自らの施設にとって最も相応しい定義を創り出す作業です。広報の意義を漏れなく,ダブリなく書き上げながら,独自の表現を考えることです。使いやすさや覚えやすさを考えると,なるべくわかりやすくシンプルにまとめること(表現のプロの仕事)が必要,ということですから,かなりのエネルギーを使うのが普通です。
しかしこの作業こそ,広報を成功に導く重要なポイントとなります。成果につながる広報理解から言っても,メンバーの能力アップの意味から言っても,前向きにとらえて頂きたいのです。筆者の所属するNPO法人(日本HIS研究センター)が,各地の病院が集まるワークショップを通じて,一般的な病院広報という位置づけで定義した事例を参考にして下さい。これは,あくまでも「参考」です。
病院広報の定義(例)
病院などのヒューマン・サービス業が,広く社会から信頼が得られるよう,社会の要望に耳を傾け,相互の利益のために,よりよく情報を活かそうとする包括的な組織活動
(NPO法人日本HIS研究センターによる定義)
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