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(5)イベントの企画と開催【2章 「伝える」は広報のエンジン】[特集:患者満足度を上げる院内・院外広報]

No.4727 (2014年11月29日発行) P.45

石田章一 (NPO法人日本HIS研究センター)

登録日: 2016-09-01

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  • さて,情報が往来する媒体のうち最も複合的な要素と機能を持つのは「人が集まる」イベント(催事)やカフェテラスのような空間づくりではないでしょうか。
    人を集めて行うイベントには必ず有益な情報やものが関わり,時間と空間をうまく使うことで総合的に場やメッセージを創造しながら象徴的に伝えることができます。病院というところは,人を集める仕事になります。当然そこには情報が求められ,また情報が集まることになります。
    そのような媒体としての性格上,イベントは案外,医療に適した広報活動の場といってよいと思います。それも院内での交流・慰安的な要素ではなく,外部社会を巻き込んでの,ふれあいと対話につながる機会を提供することが重要です(図4)。

    1. 見学会を兼ねた交流機会

    地域の医療施設は,生活や健康にとって,なくてはならない存在と言えます。たとえば,家を買う,あるいは借りる際に周辺の医療機関は必ず不可欠なポイントとして挙がります。本来は医療の質を向上させ,様々な患者・利用者への診断治療サービスを提供する拠点であったのですが,今後は地域の特性や利用者の状況を加味した施設側の工夫が求められてきます。このため,施設のめざすものや機能を知ってもらうこと,つまり広報の絶好の出番です。これはものの考え方ひとつでいろいろなことができますから,施設としての知恵やセンスが問われます。
    地域の住人や子どもたちを招いての見学会の開催はまたとない広報活動の機会と言えます。このように,まだ患者ではない地域住民のみなさんに院内を見てもらうことは,自院のより大きな存在意義を「伝える」ことであり,地域医療やいわゆる相互理解に有効な施策であると同時に,患者さんに知識を持って頂く教育機会としても欠かせない活動です。

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