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(5)市民との対話で癒し合う【3章 「聞く」ことで新しい前進】[特集:患者満足度を上げる院内・院外広報]

No.4727 (2014年11月29日発行) P.56

石田章一 (NPO法人日本HIS研究センター)

登録日: 2016-09-01

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  • 伝えることと聞くことを,交互に繰り返すのが「対話」です。対話を通じて得ることは,相互の認識を進め,つながりを深めて共同することです。相互の関係を育て,共振することで新しい関係を発見できるかもしれないという期待から始まります。自らが相手に話しかけることで,自分自身に新たな発見があったり,相手を知りたいと求める行為が,双方の癒しになることもあるのです。
    久世浩司さんの近著『「レジリエンス」の鍛え方』によると,ポジティブな感情の研究で有名なフレッド・ブライアント博士は,「対話すること自体が喜びであり,楽しい経験だからではないだろうか」と予想されていると書かれています。コミュニケーションとは,単に伝達の手段というよりも,社会で共に生きていくことそのものと思うのですが,いかがでしょうか。
    医療施設の経営において大切なものは何か,視点によって様々なことを挙げることができます。しかし,人が目的を持って集まり仕事をしていくということを重視しようというなら,やはり,それはコミュニケーションを真ん中に置くべきだと確信します。中でも人と社会の関係は最も重視されなければならない課題ではないでしょうか。この関係において,対話もないまま時が過ぎているようでは,何をしてもうまくいくはずはありません。

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