抗ヒスタミン薬は,アレルギー性鼻炎治療薬の中心であり,主としてくしゃみ・鼻漏を軽減する目的で使用されている
抗ヒスタミン薬は,開発された時期により第1世代と第2世代に分類され,その臨床効果や中枢抑制作用は異なる
第2世代の抗ヒスタミン薬の継続的な使用にあたっては,鎮静作用の少ないものを使用するべきである
通年性アレルギー性鼻炎やスギ花粉症の治療法の選択基準については,2013年に改訂された「鼻アレルギー診療ガイドライン─2013年版(改訂第7版)」1)に,標準的なものが提示されている(p21,表1参照)。現在行われている治療法としては,アレルゲンの回避,薬物療法,特異的免疫療法,手術療法があるが,その中心に位置するものは薬物療法であり,鼻症状の緩和において最も使用されている薬剤は抗ヒスタミン薬である。H1 受容体拮抗作用を有する本薬剤の作用点は,ヒスタミンによって誘発される即時相の症状であるくしゃみ,鼻漏であることは疑うべくもない。
鼻閉を中心とした遅発相の症状に主に効果を示すとして開発されたロイコトリエン受容体拮抗薬(leukotriene receptor antagonist:LTRA)やトロンボキサンA2(thromboxane A2:TXA2)受容体拮抗薬,免疫修飾作用を有するとされるトシル酸スプラタスト(アイピーディ1397904493),最近登場した生物学的利用能(bioavailability)の低い新規の鼻噴霧用局所ステロイドなども,単独での使用に加え,患者の重症度や病型に応じて抗ヒスタミン薬との併用も行われる状況となっている2)3)。
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