総合病院の若手循環器内科医のA先生。その日は病棟の送別会で飲酒したあと深夜に帰宅。さあ寝ようかと思ったところに,思いがけず病院から連絡がありました。心筋梗塞で入院中のBさんが起坐呼吸状態で苦しがっているとのこと。あいにく当直は消化器内科医で,主治医であるA先生は一刻も早く自分が処置にあたらねばと思い,車を運転して病院に駆けつけました。病院までの距離は目と鼻の先であり,風呂にも入ってかなり酔いは醒めています。ましてやわずかな遅れも許されない状況で,タクシーを呼ぶ時間が生死を分けるかもしれないと思ったからです。
病院到着後,飲酒状態であることを悟られないようにマスクをして診療にあたったA先生でしたが,幸い処置はうまくいきBさんはほどなく呼吸困難から解放されました。
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