「またミスった。お前は医師に向かない」と言い,後輩にあまり仕事をさせない先輩はいないだろうか。これは,減点法で後輩の行為を評価するために起こることで,人を育てる方法として適当ではない。
この方法では,評価される人は失敗を恐れて萎縮し,難しいことをやらなくなる。減点法は日本の悪しき伝統であるが,この方法がはびこっているため,経歴に傷をつけたくない人は全勝をめざす。そのため,リスクを冒せなくなり,結果がよいと予想されるものにしか手を出さなくなる。その結果,仕事は小さくまとまってしまい,進歩が極端に小さくなるのである。さらに,この評価法では,評価者は後輩の行為だけではなく人格まで否定してしまい,関係もぎくしゃくする。
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