「みずくさい」扱いはしない。特に,いわゆるモンスターペイシェントとの関わりの中では,大切な心構えである。誠意のないみずくさい扱いによって受ける精神的ストレスは,患者さんのみならず医療者自身にとっても,大きな不利益となる。
たとえば,理不尽と思われるような要求でも,十分に傾聴せず患者さんの希望を酌もうとしない言葉遣いや診療態度を示せば,患者さんの心は一瞬にして冷え切ってしまう。
患者中心の医療とは,患者さんが等しく尊厳を持って治療が受けられること。形式的なみずくさい扱いは,肉体的・精神的痛みを背負った絶対的弱者の患者さんには鋭敏に察知される。信頼と憎しみは表裏一体。穏やかな表情は一変する。
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