総務省消防庁は6日に開催した「救急業務のあり方に関する検討会」(山本保博座長)で、「#7119(救急安心センター事業)」(用語解説)の全国展開に向けて、費用対効果を把握する方針を示した。
同庁は、近年の救急出動件数増加や現場到着時間延伸を問題視した上で、救急車の適正利用や適切なタイミングでの医療機関受診のためには#7119の促進が「極めて有効」と指摘。しかし現在、#7119を実施しているのは、東京都、大阪府、奈良県、福岡県、札幌市周辺、横浜市、和歌山県田辺市周辺のみ。今年度からは宮城県、埼玉県、神戸市が新たに実施予定としているものの、さらなる普及の必要性を強調した。
同庁はこれに向け、医療機関側の費用対効果を検討する。具体的には、#7119の実施前後における医療機関の外来患者数や救急相談件数の増減を把握。さらに、#7119での相談の結果、適正化された医療費の算定や、医療の評価指標(死亡数[率]、緊急入院数、在院日数等)の値の増減について調査するとしている。
なお、費用対効果の検討については、検討会に先行して設置された「救急安心センター事業(#7119)普及促進ワーキンググループ」で議論している。