近年の高齢化社会における心血管系合併症患者の手術を安全に施行するには,どのような周術期管理をすべきかが重要な課題となる。そのためには,外科医,麻酔科医,そして手術の状況を把握した循環器内科医らの協力が必要である。外科医が手術を予定した瞬間から,時には十分な時間をかけ,時には緊急の対応をし,関係するすべてのスタッフで構成される“周術期管理”チームとして術前評価と手術準備を行う。本特集では,その診療体制と当院が考案したスクリーニングシステムなどについて,循環器内科医,麻酔科医,外科医の立場から解説する。
1 術前の循環器チェックを依頼されたとき─循環器内科医の腕の見せ所
杏林大学医学部第二内科学教室(循環器内科)主任教授 吉野秀朗
杏林大学医学部第二内科学教室(循環器内科)学内講師 谷合誠一
2 術前・術中・術後の管理要点─虚血性心疾患において麻酔科の立場から
杏林大学医学部麻酔科学教室学内講師 森山久美
杏林大学医学部麻酔科学教室主任教授 萬 知子
3 虚血性心疾患合併患者の消化器癌オペ時の注意点─循環器内科医に求めること
杏林大学医学部外科学教室消化器・一般外科 橋本佳和
杏林大学医学部外科学教室消化器・一般外科教授 正木忠彦
杏林大学医学部外科学教室消化器・一般外科教授 杉山政則>