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発作性上室性頻拍の心拍数の決定因子と最少心拍数の理論値は?【心房レートと房室結節の不応期,房室結節二重伝導路の伝導時間が関与。理論値は139.5回/分】

No.4874 (2017年09月23日発行) P.58

中原志朗 (獨協医科大学越谷病院循環器内科准教授)

登録日: 2017-09-21

最終更新日: 2017-09-19

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  • 発作性上室性頻拍(paroxysmal supraventricular tachycardia:PSVT)の心拍数の決定因子と最少心拍数の理論値を。 

    (長崎県 N)


    【回答】

    PSVTと呼称されている頻拍の多くは,一般的にHis束分岐部上部から発生する頻拍で,心房頻拍(atrial tachycardia:AT),房室結節リエントリー性頻拍(atrioventricular nodal reentrant tachycardia:AVNRT)などが含まれます。

    ATは,頻拍の発生・維持に心房のみを必要とし,房室結節や心室が関与しないものと定義されます。わが国では心房レート250回/分以下をATと称し,通常は心房レート150~200回/分を呈します。ATでは,頻拍の心房レートと房室結節の不応期が心拍数の決定因子として関与します。心房レートが房室結節の不応期より遅いケースでは,最少心房レートが直接最少心拍数を決定します。また心房レートが房室結節の不応期より早いケースでは,房室結節の不応期が最少心拍数を決定します。すなわち成人男性の房室結節の有効不応期は230~430msと報告され,6万/430=139.5回/分が最少心拍数の理論値と考えられます。

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