日本高血圧学会は2日にセミナーを開き、現在改訂中の『高血圧治療ガイドライン2019』について、「どこまで血圧を下げたら予後が良くなるか」という観点から行ったメタ解析に基づく推奨を盛り込むことを説明した。ガイドラインは2019年2~3月に出版予定だという。
副理事長の大屋祐輔氏は、「血圧をどこまで下げたら予後が良くなるか、副作用を増やさず、安全に下げながら良い結果が得られるか」「高齢者でも元気でばりばり活躍している人が高齢者の分類の血圧目標値では不適切ではないか」といった課題に対応する方針を説明した。
また、米国で実施されたSPRINT試験で用いられた自動診察室血圧測定(AOBP)は国内の診察では現実的でないことから、国内患者300名を対象にAOBPや診察室血圧、家庭血圧の測定値を比較するとしたパイロットスタディが進行中であることを紹介。パイロットスタディの結果は来年9月の学会総会で発表するとした上で、SPRINT試験の解釈の仕方を新ガイドラインに盛り込むとしている。