社会保障審議会医療保険部会(遠藤久夫部会長)は4日、紹介状なしの大病院受診に対する定額負担について、負担を徴収する対象病院を拡大する方向で概ね一致した。
厚生労働省は外来の機能分化を進めるため、2016年度以降、特定機能病院と一般病床500床以上の地域医療支援病院に対し、救急などを除く紹介状なし受診患者から初診時5000円以上、再診時2500円以上を徴収するよう義務づけている。これに関して政府の「経済・財政再生計画改革工程表」では、「現行の選定療養による対象の見直し」を含めて検討し、17年末までに結論を得るよう求めている。
同日の会合で、松原謙二委員(日本医師会)は、初診時定額負担の導入効果について「一定程度ある」と評価した上で、「200床以上」と具体的な病床数を挙げつつ、対象病院の病床数引下げを支持。再診時の定額負担についても「病院勤務医の負担軽減につながる」として、対象拡大の検討を進めるよう求めた。
井川誠一郎参考人(日本慢性期医療協会)は、再診時定額負担の見直しに関して「定額負担を避けるために軽症の救急受診が増えては本末転倒」と述べ、丁寧な議論を求めた。