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変形性母指CM関節症の治療方針は?【装具療法と関節内注射の具体的な方法】

No.4878 (2017年10月21日発行) P.64

森崎 裕 (東京大学医学部附属病院整形外科・脊椎外科特任講師)

登録日: 2017-10-20

最終更新日: 2017-10-17

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  • 手指の変形性関節症が増加しつつあるようですが。特に母指CM(carpometacarpal)関節症について,保存的治療と手術治療の要点をご教示下さい。

    (岩手県 A)


    【回答】

    変形性母指CM関節症は,中年以降の女性に多く,遠位指節間(distal interphalangeal:DIP)関節症(ヘバーデン結節)についで多い手指の変形性関節症と言われます。わが国の1535人のコホート研究で,平均年齢63歳の群の50%にX線上,変性がみられました1)。年齢とともに割合が増えると言われ,超高齢社会のわが国では,もはや日常的に接する疾患になっていると考えます。

    (1)保存的治療

    外用貼付薬,装具療法,関節内注射,各種鎮痛薬内服,ギプス固定などがあります。

    ①装具療法
    全身への影響が少なく,かつ時に長期的に効果が期待できるものとして,まずは装具療法をお勧めします。装具には硬性と軟性がありますが,硬性はつけていると窮屈だと自己中止してしまう患者が多く,軟性で十分だと考えています。女性に多いことから,水仕事などを行うこともあり,日中の装着は困難な方が多いようですが,できる限り長時間の装着を2~3カ月は継続し,日中は困難であっても,夜間のみは必ず装着するよう指示しています。手根管症候群と同様,夜間のみの固定でも効果が出ることが多くあります。夜間装着のポイントは,締めすぎないことで,「ゆるくていいので,邪魔だなぁと思うぐらい」と指導しています。

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