去る10月19、20日、仙台で開催された第25回日本慢性期医療学会に参加した。療養病床を中心とする日本慢性期医療協会(日慢協)が母体となり、延べ4000人が参加する大きな学会であった。日慢協の役員を拝命しているが、開業医の立場で参加したのはおそらく私だけだろう。
町医者がこの学会に参加しても、様々な学びがあった。慢性期病院で提供されている医療の現状や病院側から見た在宅医療など、別の視点から自分自身の立ち位置を眺めることができる貴重な機会である。慢性期医療の内容はいつも興味深い。在宅で提供している医療と療養病床のそれではどれくらいの違いがあるのか。療養病床が扱う病態といえば老衰など姥捨て山のイメージがあるかもしれないが、日慢協に加盟している病院は様相がかなり違うようだ。人工呼吸器、胃ろうや高カロリー栄養、24時間リハビリなど、医療依存度が高い患者さんが年々増えている。その多くが高度急性期病院から移ってくる。急性期病院と遜色ない高度医療を提供している割にはずっと低い診療報酬で頑張っておられる。毎年懇親会でその苦労話を聞いているが頭が下がる。
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