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うつ病,双極性障害患者に対するリワークプログラムの有効性【復職時点の臨床的回復レベルは復職1年後も維持され,労働生産性も有意に改善】

No.4883 (2017年11月25日発行) P.56

藤内栄太 (ときわ台メンタルクリニック院長)

縄田秀幸 (河野医院)

登録日: 2017-11-26

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  • うつ病,双極性障害患者に対するリワークプログラムの有効性についてご教示下さい。河野医院・縄田秀幸先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    藤内栄太 ときわ台メンタルクリニック院長


    【回答】

    うつ病,双極性障害を含む気分障害の患者数は,2008年の厚生労働省・患者調査でついに100万人を突破しました。その後,やや減少に転じたものの依然高い水準が維持されています。労働者が精神疾患に罹患し休職を余儀なくされることは個人にとっても社会にとっても大きな損失です。

    リワーク(rework)とは,休職を余儀なくされた労働者が,職場復帰をするために行うリハビリテーションの総称であり,その実施母体によって,以下の3つに大別されます。

    ①厚生労働省の傘下である地域障害者職業センターが行う職業リハビリテーション「職リハリワーク」
    ②企業内で行われる復職支援のための「職場リワーク」
    ③医療機関が行う「医療リワーク」

    「職リハリワーク」や「職場リワーク」とは異なる「医療リワーク」の特徴は,作業能力としての復職リハビリテーションを援助するだけではなく,医療の視点から,疾病や治療についての心理教育や,休職に至った自己分析,対人交流スキルや自己管理能力を高めるためのリハビリテーションも援助できるという点です。「医療リワーク」の平均的な治療構造は,精神科デイケアを利用した週5日のプログラムによって,3~6カ月のリハビリテーション期間で復職をめざします。実際の臨床現場では,これらに加え,地域性や患者層に合わせた工夫が必要です。

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