(千葉県 K)
厚生労働省から2017年6月に発行されている「抗微生物薬適正使用の手引き 第一版」1)(以下,「手引き」)に,感冒症状を呈する患者に対してどのようにアプローチすべきかが記されています。「手引き」9ページによると,急性気道感染症は鼻汁・鼻閉,咽頭痛,咳・痰の3症状それぞれの強さにより,「感冒」「急性鼻副鼻腔炎」「急性咽頭炎」「急性気管支炎」に分類されます。
この中で,「感冒」は通常ウイルス性であるため,抗菌薬は不要です。「急性鼻副鼻腔炎」では,症状が10日間を超える場合や,39℃以上の発熱を認める場合,膿性鼻汁や顔面痛が3日以上続く場合に細菌性を疑って抗菌薬投与を考慮します。「急性咽頭炎」では,迅速検査や細菌培養検査でA群β溶連菌(group A Streptococcus:GAS)が検出された場合にのみ抗菌薬を投与し,「急性気管支炎」では強い咳や吸気時の笛声(inspiration whoop)があったり,周囲の流行状況や接触歴から百日咳を疑ったりした場合にのみ抗菌薬を投与します。
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