中央社会保険医療協議会総会(田辺国昭会長)は17日、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いた内視鏡手術12件について、4月の診療報酬改定で保険収載する方針を了承した。診療報酬上の評価については、施設基準が設けられたり、既存の術式と同程度の点数となる可能性もある。
ダヴィンチを用いた手術のうち、現在保険収載されているのは、腎悪性腫瘍(7万730点)と前立腺悪性腫瘍(9万5280点)の手術の2件。2018年度改定では、①胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術、②胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術、③腹腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除または1肺葉を超えるもの)、④胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術、⑤胸腔鏡下弁形成術、⑥腹腔鏡下胃切除術、⑦腹腔鏡下噴門側胃切除術、⑧腹腔鏡下胃全摘術、⑨腹腔鏡下直腸切除・切断術、⑩腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術、⑪腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術(子宮体がんに限る)、⑫腹腔鏡下膣式子宮全摘術―の12件を保険適用する。
このうち、適応患者数の多い胃切除術などを巡っては、11日に開かれた先進医療会議で「十分な科学的根拠がある」と評価されたものの、保険収載による医療保険財政への影響を懸念する声や「安全性のみ評価しており有効性を評価していない」との指摘が相次いだ。
中医協の下部に設置されている「医療技術評価分科会」の福井次矢分科会長は17日の総会で、「ロボット支援下内視鏡手術は既存技術と比べた優越性に関するエビデンスが明確でなく、安全性・有効性の評価を行っていく上でレジストリの整備が大変重要」との見解を述べ、分科会委員から「保険適用の際にはデータを蓄積するために施設基準を設けるべき」「診療報酬上の評価は既存技術と同程度とすべき」などの意見が出たと報告した。