No.4895 (2018年02月17日発行) P.12
登録日: 2018-02-08
2018年度診療報酬改定が7日に答申されたことを受けて、日本医師会の横倉義武会長は同日会見を開き、「それなりの評価が出来た」と受け止めを語った。点数評価を記者から求められると「改定率が決まった時の評価は60点と答えたが、それより少し上」と回答した。
会見は日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の三師会と、四病院団体協議会と合同で開かれた。 横倉会長は診療報酬の改定作業について「超高齢社会に対応するための最重要課題である地域包括ケアの推進に向けて、地域の医療資源を有効活用しながら継続して改革を進めるためにも、必要な財源配分を行うことが重要」と指摘。その上で、「今回の改定は少ない財源で、それなりの評価ができた」と述べた。
今改定で進められた外来医療の機能分化とかかりつけ医の機能評価については、かかりつけ医機能に係る診療報酬を届け出ている医療機関が初診時に算定する「機能強化加算」(80点)が新設されたことを歓迎。算定要件の1つである地域包括診療加算、地域包括診療料についても「日本医師会のアンケートで負担が大きいとの回答があった24時間の対応と複数医師の対応について見直すなどの要件緩和が行われた」と述べ、「かかりつけ医機能が発揮しやすくなっている」と指摘した。また、診療報酬によるかかりつけ医機能の評価の方向性は、日医が考えるかかりつけ医機能の推進とも合致しているとの認識を提示。その上で、「日医が目指すかかりつけ医機能に合致する医療機関はぜひ(機能強化加算を)算定していただきたい」との考えを示した。80点の評価については「コメントはない」と評価を控えた。
入院医療の見直しに関しては、基本的な診療に係る評価(基本部分)と、診療実績に応じた段階的な評価(実績部分)の2つを組み合わせた評価体系に再編・統合されることについて「地域の医療ニーズと資源投入のバランスを取る上で望ましい。中長期的な方向性を踏まえた歴史的な改定が行われたと評価している」と述べた。一方で、「改定のたびに入院基本料の要件が改変され、医療現場は混乱した」と苦言を呈し、「頻回な要件の改定はすべきではない」と主張した。
今改定で足りなかった部分については「専門的な医療技術の評価が足りなかった」と述べた。