80代の高齢者が施設で介護ベッドとサイドレール(ベッド用手すり)の間に頭部が挟まり、死亡に至った事故が報告されたことを受け、消費者庁が再発防止を呼び掛けている。
医療・介護ベッドの手すりには、療養者の視野の確保と閉塞感の軽減のために隙間があるが、手すりとヘッドボード(頭側の衝立)の隙間や、手すりと手すりの隙間に頭や首を挟み込む重大事故が相次いでいる。関連の事故は、2007年5月以降75件報告されており、うち死亡事故は40件に上る。
医療・介護ベッド安全普及協議会によると、重大事故(死亡または30日以上の治療を要する負傷・疾病)が最も多いのは「サイドレール内の隙間」で、2007年5月~17年9月に26件報告されている。
■手すりの隙間は毛布などで塞ぐ
介護ベッドについては、2009年に日本工業規格(JIS規格)が改正され、手すりと手すりの隙間および手すりとヘッドボードの隙間の基準が厳格化された。消費者庁は、手すりがJIS規格に適合していなければ、適合製品に取り替えることを推奨している。取り替えが困難な場合には、クッション材や毛布などで隙間を塞ぐか、手すりをカバーや毛布で覆って隙間に頭や腕などが入り込まないようにし、定期的にベッド利用者の状態を目視確認するよう求めている。
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