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変形性足関節症【関節固定術に代わり,骨切り術の施行例が増加している】

No.4903 (2018年04月14日発行) P.55

松原秀憲 (金沢大学整形外科)

土屋弘行 (金沢大学整形外科教授)

登録日: 2018-04-16

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骨と骨との間にあって,クッションの役割や滑らかな動きを可能にしている組織が関節軟骨である。その軟骨が,外傷による損傷や加齢による変性ですり減ると,クッション性がなくなり,骨と骨同士が擦れ合い,大きな摩擦を生じる。この状態を変形性関節症と言い,主に運動時の疼痛を生じる。発生部位は,股関節・膝関節などに多い。足関節は,構造的に強固な上,隣接関節で応力が緩和されるため,発生頻度は低いが,近年増加傾向にある。

変形性膝・股関節症の治療の多くは人工関節置換術が適応となるが,足関節は人工関節の長期成績がそれらに比べ不良であり,また,他の部位に比べ隣接関節で可動するため適応となりにくい。古くから行われている関節固定術の成績が良好であることからも,変形性足関節症の手術療法においては関節固定術が第一選択となってきた。しかしながら,もともと可動していた部位の関節を動かなくすることによる機能障害が少なからず生じることも事実であり,それらに代わる治療として関節の動きを温存できる骨切り術が行われる患者も増えてきている。

遠位脛骨斜め骨切り術という骨切り術であり,これは1994年に寺本 司らが考案した画期的な骨切り術である。脛骨遠位を斜めに骨切りし,同部を開大することで,足関節のホゾ構造を再築しながら,軟骨の変性によって傾いた関節を矯正する。近年,全国的にも追試する施設が増えてきており,その良好な治療成績が報告されてきている。

【解説】

松原秀憲*1,土屋弘行*2 *1金沢大学整形外科 *2同教授

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