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(1)改定のインパクト総括[特集:2018 診療報酬改定のインパクトと経営戦略]

No.4905 (2018年04月28日発行) P.16

小松大介 (株式会社メディヴァ コンサルティング事業部長)

登録日: 2018-04-27

最終更新日: 2018-04-24

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2025年モデルの完成に向けた改定の狙い

2018年度は、診療報酬改定・介護報酬改定・障害福祉サービス等報酬改定に加えて、第7次医療計画、第7期介護保険事業計画のスタートとなる、医療・介護業界においては2025年モデルを見すえた大規模な制度改定のタイミングとなった。実際、診療報酬改定に焦点を絞っても、2025年までには、あと3回の改定しかなく、改定にともなう経過措置や適正な点数水準に向けた微修正のことを考えると、2025年モデルに向けた大きな枠組みを示すタイミングである。

また前回の診療報酬改定では、「地域包括ケアシステム」の推進、「病床の機能分化・連携」の強化、「かかりつけ医等」のさらなる推進とあわせて、重点分野の充実と効率化・適正化が指針となった。しかしその後、2年の時を経て、回復期リハビリテーションや地域包括ケア病棟・病床の普及、平均在院日数の短縮をはじめとした病床機能の強化、および在宅看取りの増加等の成果が見られる一方で、7対1病床の減少が進まず、在宅療養支援診療所数が頭打ちとなり、地域包括診療料・加算が大きくは普及しないなどの課題も見える状況となっている。

今回の改定における具体的な視点は、次の4つであり、これまでの流れを受けた地域包括ケアシステムや医療機能の分化・強化等を進めつつも、ICT等の新しいニーズや医療従事者の負担軽減等に配慮する項目が新規に設けられることとなった。

視点1:地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進
視点2:‌新しいニーズにも対応でき、安心・安全で納得できる質の高い医療の 実現・充実
視点3:医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進
視点4:効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上

改定の全体像

2018年度の診療報酬改定においては、前述の4つの視点に基づいて、いくつかの大きな方向性を含む改定がなされることとなった。特に大きな改定は、7対1入院基本料をはじめとする各種病床機能別の改定である。今回の改定では、7対1の名称変更+重症度による算定要件の厳格化以外にも、地域包括ケア病棟・病床における在宅等の機能強化、回復期リハビリテーション病棟におけるアウトカム評価の厳格化等が示されており、病床の機能別に今後の方向性が明確に示されることとなった。また、あわせて地域包括ケアシステムの普及に向けて、在宅療養支援診療所以外の中小病院や、一般診療所における在宅医療や24時間対応を求める改定も多く含まれている。そして働き方改革として、医師事務作業補助や看護補助の活用を促し、各種常勤要件や専従要件を緩和するなど、働き方の多様性に適応する方向性が示されることとなった。

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